仕事はなんとかこなしていても、家に帰れば食欲もないのに、あまり飲めないアルコール飲料の缶でゴミの山を築き、足元は、脱ぎ散らかした服で道をつくっている。

時折、仕事中に見かける朝陽は、こちらに視線を向けることもなく、彼の隣には多岐川さんがいて、それを見る度にチクチクと胸が痛むのに、多岐川さんは追い討ちをかけるように、こちらを見ながら彼に何か囁くと、彼は私を一瞥しただけで微笑みもせずに去っていってしまう。

それを見ていた多岐川さんが、微笑んでいる姿を思い出して、部屋で1人になるとお酒に頼って忘れたくなるのだ。

彼の冷たい対応に、もうダメなのかもと思うと、涙が止まらず泣きながら寝て、朝を迎える日を繰り返している。

部屋のインターホンが鳴る音で、ベッドからガバッと急に起きたら、二日酔いの頭痛でこめかみを押さえた。

また、インターホンが鳴り、朝陽かもと玄関まで駆け寄りドアを開けたら、梶岡さんと砂羽さんだった。

「莉子ちゃん、酷い顔してるね」

「…おはようございます」

「もうお昼よ。休みだからっていつまでも寝ていないの」

「すみません」

「お邪魔するわね」

ズカズカと中に入っていく過程で、砂羽さんは道をつくっている服を拾っていく。