私たちは、たくさんのアトラクションに乗って楽しんだ後、最後に観覧車に乗った。

海斗と向かい合わせ。

ゴンドラがゆっくり上へと動いていく。

海斗と2人きりの空間‥‥‥

まるで、世界に私たちだけみたい。

そんなことを考えていると、

「莉乃」

さっきまで窓の景色を眺めていた海斗が私の方を向いた。

「今日は、ありがとな」

「ううん、こちらこそありがとう。海斗」

遊園地に海斗を誘った時、受験生で毎日勉強で忙しくて、もしかしたら断られてしまうかもしれないと思った。

でも、違った。

海斗は笑顔で『行きたい』と言ってくれた。

そして、こんなにも海斗と一緒に遊園地を満喫できて‥‥‥

「とっても楽しかったよ」

「俺もとっても楽しかった。莉乃のお陰で久しぶりに、リフレッシュできたよ。明日から、また勉強頑張れる」

海斗は笑顔で言ったけれど、私は笑顔を返せなかった。