「まさかそのお嬢様がこんな学校にいるなんて思わなかったけどな」 「悪かったわね」 わたしだってあの、竜崎のお坊ちゃんがここにいるとは思わなかったわ。 まあいまは違うんだけど。 「お前、卒業したら結婚するんだろ?」 「そんなことまで、知ってるの?」 「ああ、有名だぜ。こっちの界隈では。藤宮のご令嬢は、もう決まった相手がいて卒業したら籍をいれるってな」 一番、知られたくなかった。 二階堂くんには。