「いますぐ戻しなさい!」 そういわれたけど、戻す気なんてない。 「まあまあ、いいじゃないか。風くん、君は自由に生きればいい」 再婚相手――二階堂は俺にそういった。 心の中では思っただろう。 こんなやつに俺の会社は継がせないと。 でもそれでいい。 俺だってこんなところの社長になんてなりたくもない。 俺はひとりの世界に閉じこもった。