「それに汚い手で、触らないでもらえますか」 「なんだお前!ひっこんでろ!」 「彼女に、手ださないでもらえますか」 「...彼女?こいつと付き合ってんの?」 さっきまで二階堂くんを睨んでいた目がこっちに向く。 その視線に小さく頷いた。 ここで否定してしまったら、二階堂くんの気持ちを踏みにじってしまう気がして。 「ちっ。なんだそれ。だったら最初からいえよ」 先輩はイライラしたまま、一度地面の砂を大きく蹴って去っていった。