「怒ったり、泣いたり忙しいやつだな」 「うるさい」 「...でも、そっちのほうがいいよ。無理して笑ってるより、全然いい」 どうしてだろう。 今日はじめてあったのに、簡単にわたしの心に入ってくる。 「どうして?」 「なにが?」 「どうして、声かけたの」 二階堂くんはこの屋上にずっといるような装いだ。 かばんも近くに落ちてるし、彼が吸ったであろうたばこも落ちている。 きっと、ここも彼の居場所だったはず。 なら今までだってわたしが叫んでいるのをみてたはずなのに。