俺の好きな子はあいつ

『誰からも好かれるのは教師ではない。俺は、クラスのほとんどが、俺を嫌いと言ったとしても、俺を好きだと言ってくれるたった1人の生徒のためならどんな試練だって乗り越えるさ。』


そんな先生の言葉が頭をよぎった。


これまでは面と向かって嫌だと言ってくる生徒はいなかったからか、2人の言葉はよく胸に刺さる。


「先生、、俺はそんな強くはなれないみたいです。。。」


そう呟いて、静かに空き教室を後にした。


俺を心配そうに見つめていた相原と、深くため息をつき、首を振っていた旗本先生の存在に全く気付かないままであった。