「無理するのは良くないですよ。」


驚いた顔の相原。…まあ、顔色はましになったな。


「小原、せんせ…」


「突然倒れるから驚きました。無理しすぎです。相原さん、休むってことも立派な仕事だと僕は思いますよ。」


こっちの心臓がもたないっつーの。


「でも!」


「休んだら迷惑かける?そんなのはみんな同じ。文化祭時期でもなんでもそうですが、練習の時はお互いたっっくさん迷惑かけて、喧嘩して、支え合って。そうすることで目標に向けてもっともっと成長できる。中川さんはきっと心配のあまり、何も考えずに言ってしまっただけですよ。大丈夫。」


人は、他人に迷惑かけて当たり前。


互いに迷惑かけあって、支え合って生きるものだから。


「先生。今だけは‥甘えてもいいですよね…?」


「強がるのは良くないですよ。みんな、相原さんの心からの笑顔を待ってるのですから。僕を含めてね。」


そうだ、俺は…


「今まで私は自己中だったんだね……ようやく気付いた。沙奈と鈴子が怒る理由も、周りの思いも、やっと理解できた。ありがとう、先生。」


「どういたしまして。さて、お母さんに連絡してあるので、そろそろ着く頃ですかね。今日はゆっくり休んでください。あ、帰る時は職員室によって声かけてくださいね〜」


早く相原の笑顔が見たい。相原が笑ってくれればそれでいい。


早く元気になれ。