俺の好きな子はあいつ

「先生ってさ、なんで数学教師なの?」

「なんでって、数学が好きだからですよ。」

「へぇ〜、なら舞も数学の先生になろっかな〜?」

「数学好きなのですか?」

「んー、数学って言うよりは〜って先生鈍感すぎ〜笑」

はっきり言うとどうでも良かったが、とりあえず話を聞くだけ聞こうと適当に対応する。

「小原せん……」

ふと、相原の声が聞こえた気がした。

振り返ろうとすると「先生、あっち行こ?」なんて木次が俺を引っ張っていく。

「ちょっ、ちょっと!」

ようやく振り返れた時には相原の姿はそこにはなかった。