「相原さん、あなたは今のクラスは居心地悪いですか?」


「私的には、比較的過ごしやすい雰囲気だと思ってますが。喧嘩もしないし、授業妨害もない。やるときはやる、そんな活気のあるクラスで私は好きですよ?」


「…そうですか。良かった。自分のクラスなのに把握しきれてない問題があったらどうしようかと思って。


まあ、僕が感じてる通りだったので安心です。」


一瞬驚いたものの、ハキハキと答える相原。


担任しているクラスのことを把握しきれていないことだけは避けたかった。


やはりクラス全体を一番理解しているのは相原だろうと思い、思わず聞いてしまった。


教室に返そうと、口を開きかけた途端、相原が言った。


「先生、何かあったらまたいつでも聞いてください。」


唐突の言葉に驚く。


今までの生徒はこんなことは言わなかった。


いつも自分のことばかり言ってきた。


俺のことを気にした発言をする奴はいなかった。


それなのに、こいつは違う。


相原水華。俺が気になりはじめるまで、そう時間がかからなかった。