そんな相原の言葉に、返事なんてできなかった。


綺麗事ということはわかってる。


でも、俺にとって生徒は皆、命で。


そんな命に順番なんてつけれない。


勿論、俺個人としては相原は何よりも誰よりも大切だが、今接すべき姿は教師としての俺。


だからこそ、伝えないといけない。


それが相原にとっては1番残酷でしんどいことだろうと思いながらも。


「さあ、保健室でゆっくり休んでて下さい。また閉会式の時に呼びに来ますから。」


そっと扉を閉めたあと、扉の前でしばらく立ち尽くしていた。


「なんで気づいたかってか。そんなもん、ずっと見てるからわかるに決まってる。…好きだ。……すまない。」