「だから無理はダメです、と言ったでしょ?相原さん、昼に言った僕の言葉を覚えていますか?おそらく熱中症ですよ。さあ、保健室に行きましょう。」


目を瞑ってた相原に声をかける。


「小原先生、、?」


ぼーっとした相原が俺を見上げる。


なんというか、、こんな時に言うのもおかしいが、可愛い。


「先生ナイスー!って事で水華のことよろしく〜」


ハッと周りを見ると、俺のクラスの生徒がニヤニヤしながら席に戻っていった。


「全く…閉会式前だし生徒は席に返さないと、と思ったのにニヤニヤしながら戻って行って…」


そうぼやきながら相原を連れて歩こうとした。


でも、相原はうまく足を動かせない様子。


見かねた俺は、相原を抱き上げた。


所謂、お姫様抱っこ、というやつだ。


「歩けなさそうなのでちょっとだけ我慢してね。」


「先生…恥ずかしい。」


「無理した罰です。我慢して下さい。」


「私がどうして危ないってわかったの?」


「僕は、教師ですから。生徒のことはなによりも大切です。相原さんも、松田さんも、みーんな僕の大好きな生徒、ただそれだけですよ。」


「…やっぱりお昼も気付いてたんだ。」