俺の好きな子はあいつ

「…先生のバカ。何もわかってない!」


そう言い捨てて相原は走り出した。


俺は黙ってその様子を見るしかできない。


俺だって、わかってる。


相原にとっては辛いに決まってる。


それに、俺自身もあんな姿を相原には見られたくない。


それでも、それ以前に俺は教師で、生徒を助けなければいけない。


俺にとって、生徒を助けることは義務であり、仕事なのだ。


(あいつの泣き顔は見たくない。そんなの当たり前だ。俺だって、あいつが好きだ。でも、それじゃダメなんだ。俺は教師であいつは生徒。それ以外の子も俺の生徒。1人だけ優遇扱いするわけにはいかないんだ。)


1人でモヤモヤしながらグラウンドに出ると、ちょうど午後の部最初の競技、応援合戦が始まるところだった。