クラスのもとに行くと、リレーメンバーが泣いていた。


こいつらは本当に一緒に戦って、結果が悪いとまず自分を責める癖が抜けない。


「お疲れ様でした。みなさん、泣くのは終わりです。


悔しければ、他の競技で悔しさを晴らしましょう。僕は、みなさんが必死に練習してきたという事実がなによりも嬉しいです。クラスのみんなもそんなメンバーの姿を十分知っていますし、誰も責めたりしません。


さぁ、午後に向けて体力を回復させなければ。お昼ご飯ですよ?」


とりあえずその場を収めるために言った言葉。


それを合図に、生徒達は口々にお疲れ様と走者を労い、各自教室へ移動を始めた。


リレーメンバーもみんなに支えられ、教室に戻っていく。


ふと見れば、なぜかこけてしまった松田だけがその場に残っていた。