2日目は朝から生徒が皆笑顔だった。


「水華、いよいよだね。緊張する?」


「んー、昨日ほどは緊張してない。だって、みんながいるから。楽しまなくっちゃね?」


「「ねー!!」」


「…先生が言ってた。『緊張したら、後ろを見て。僕はビデオを撮ってるから後ろにいます。僕が見えたら、いつもの通しと同じように感じるでしょう?』って。」


「…なるほど、緊張したらこはらんを見る!それが1番だね!」


「…今までみんな頑張ってきた。その成果、お客さんに、審査員に、そして何より、我らが担任に見せつけよう。4組、頑張るぞー!」


「「「「「おー!!!!」」」」」


2日目は立て続けに来客があったために受付を抜けるに抜けられず、楽屋入りにも劇場入りにも間に合わなかった。


本番前の生徒たちに一切会うことができなかった。


劇だけは見る!と急いで劇場に向かっていた俺は、生徒が、相原が、直前にこんな会話をしていたなんて一切知らなかった。