「…ありがと先生。元気、出た。」


「本番5秒前、3、2、1」


「行ってらっしゃい。頑張れ!」


「行ってきます!」


「入って下さい!」


顔色が少しマシになった相原を先頭に、劇場内に入る生徒を見送るとすぐに客席側に移動した。


結構人がいて、ガヤガヤしていて、中の生徒たちは緊張しているのだろうなと感じた。


外で見守るしかできないことがとても歯がゆい。


チリンチリンッ


開始の合図と同時に電気が全て消える。


カーテンが開いて、照明が当たって。


「時は、20XX年。世界の人口は増加し、100億人にも達しました!」


相原のセリフで、劇が始まった。