俺の好きな子はあいつ

相原のセリフで始まった通し。


主役である中川と梅野を始めに、キャストは超真剣。


優勝を目指すうちのクラスは中1とは思えないくらい猛練習している。


「そこ!もっと迫力つけて!」


「でも、ここって落ち込む雰囲気じゃない?だから声張り上げるより落とすべきだって。」


「なんで!?ここ1番の盛り上がりだよ?」


皆真剣だからこそ、通し中にキャストと監督とで必ずこんな喧嘩が起きる。


「監督が言ってるのになんで聞かないわけ?」


「監督監督って偉そうにし「はーい、ストップ!白熱するのはわかるけど、落ち着いて。じっくりみなさんで台本を読み直して見ましょう。」…」


だからこそ、時々こうして止めに入る、俺。


通しの時は毎回声をかけるように言い、なるべく時間を作って見に行く。


喧嘩して仲間割れして…そんな時間は、優勝したいなら勿体無すぎる。


そのためにも、俺は必ず行くようにしているのだ。


あと、こいつらの成長ぶりを少しでも見たいのと、相原の姿を見ていたい、という本音が混じっていることは俺だけの秘密。