「呼び出してすみません。そして、朝も話を遮ってすみません。」


「……それで、用件は?」


怒ってるな。


「…昨日。保健室来てましたよね?」


「……はい。先生は、起きてたの?」


「…ちょうど目が覚めたところでした。


あの言葉は、大事に取っておいて下さい。


いつか、本当に大切な人ができたときのために。


僕にはもったいないですから。相原さんならきっと素敵な人に出会えますよ。


明日からはちゃんと授業も部活も集中すること!


今日は僕にも責任がありますから。ごめんね。」


「…でも先せ「では、気をつけて帰って下さい。さようなら。」待って…待ってってば!」


問答無用で突き返す。


それが、今の俺にできる唯一のこと。


あいつにとって、人生はまだまだ長いし、俺以外にもいい人はたくさんいる。


それに、どんなに好きだったとしても、俺は教師であいつは生徒。


だからこそ、今のうちに突き離さなければならない。


相原の傷ついた顔が目に浮かぶ。


「ごめんな…」


思わずそんな言葉がこぼれていった。