昼休み、旗本先生に言われた。


「昨日、なんかあったのか?」と。


話を聞くと、相原は授業も上の空だったらしい。


「先生、次空きですよね?話、聞いてもらえませんか?」


「そうか、なら早速移動するか。」


そう話して移動してきたのが4階。


ここの渡り廊下は人通りもまばらで、考え事をするにはうってつけの場所だ。


「ここからの景色、綺麗だな。」


「ええ、去年見つけまして。俺のお気に入りで憩いの場所です。」


「俺もたまに使わせてもらおうかな…笑 で、話とは?」


「昨日、相原に保健室で告白されました。多分、思わず言っちゃった、って感じで。俺は寝たふりしていたので聞いていない体だったんですけど、彼女と向き合う良い機会なのかなと思いまして。」


「聞かれてないなら何故あんなに相原は動揺を?」


「俺が、昨日保健室に来てくれたことに礼を言って、逃げたからです。あんな大人数の前じゃゆっくり話せない。」


「そうか…それで、どうすることに?」


「俺は、あいつが好きです。教師としてはもちろんのこと、1人の男として、も。でも、それじゃダメなんだ。俺は教師で、彼女は生徒。守るべき一線は守らないと。それが、俺の結論です。」


「なるほどな…まあ、小原がそう決めたのなら何も言わない。ただ…突き放したのならあまり優しくはするなよ。生徒の負担になるから。」


「ありがとうございます。放課後、話してきます。」


「…冬休み、嫁さん紹介してやるよ。」


「本当ですか!…楽しみにしてますね。」


ごめん、相原。俺、お前にひどいことをする。