驚きのあまり、相原の言葉に目を開けそうになった。


「私、今なんて言った?どうしよう…先生起きてないよね。」


焦ったような声が聞こえ、少し冷静になった。


すぐに扉が開く音が聞こえた。


「さっきの生徒さんはいるのかな?」


「あ、はい!もう帰りますね。さようなら。」


相原が出て行った。


目を開けると、保健室の先生がちょうどカーテンを開けた。


「小原先生。良かったです。


今は放課後で、さっきからちらほら生徒さんがね。


騒がしい集団を追い返して、さっきあの子だけ入れたんです。


さて、もう今日は病院行って薬をもらって、ゆっくり休んで下さい。」


「すみません、お世話になりました。」


職員室に寄って旗本先生と終礼に向かってくれた先生に礼を言い、帰り支度をした。


まだしっかり歩けないため、タクシーで病院に寄ってから家に帰った。


「潮時、か。あいつのことを想うからこそ、早く決断を出さないといけないな…」


いつも笑顔で明るくて、誰でも優しい相原。


「好き、か…」


相原の言葉をぼんやりと思い出しながら、眠りについた。