久しぶりに通勤。


合宿が終わってからちょっとは家でゆっくりできたとはいえ、教員の仕事はやはり忙しい。


「お久しぶりです。小原先生、ちょっといいですか?」


「はい?どうされました?」


「今度の文化祭の件についてですが…」


廊下を歩いていると旗本先生が話しかけて来て、少し立ち話をしていた。


「…と、この2クラスが教室交換しようかと思いますが、先生のクラスはそれでよろしいですか?」


「はい、俺のところは問題ないです。生徒にはあらかじめ教室移動の件については話してあります。」


「流石ですね。」


「プリントに書いてありましたからね…
っと、旗本先生、続きはまたでもいいですか?生徒が来ているみたいです。」


「ええ、長話失礼しました。相原みたいですね。早く行ってあげて下さい。」


「ありがとうございます。ではまた。」


遠目でもわかるくらい、あいつの後ろ姿は目に焼き付いていたからすぐにわかった。


いつもと違ってポニーテールにしてる姿にドキッとする。


「お待たせしました、相原さん。質問ですか?」


「先生ごめんなさい、旗本先生と重要な話してた?」


「大丈夫ですよ、旗本先生とはこの後でも明日でもいつでも話せますからね。さて、あちらの部屋に行きましょうか。」


予想通り問題集を持ってるのがおかしくて、ちょっと笑いながら小部屋に移動する。


中に入るとムッとした空気が充満していた。


「暑いな…」


そう呟きつつエアコンのスイッチを入れた。