「小原先生ー!ラリーしましょう〜」


「あ、やよいずるい〜私も先生とするの!」


「はいはい。2人ともしますから。順番ですよ?」


今は中3と一緒に来ている合宿中。


合宿の目的はというと、9月から始まる引退試合に向けて自分の力を磨くこと。


ずっと練習していてもしんどいだけだし、俺も嫌だから途中で自由時間を作る。


それなのにこう俺に構ってくるやつが多々…


俺も休みたいんだが。


口を裂けてもそんなことは言える訳がないので、元気よく見せかけて、彼女たちのペースに付き合う。


この合宿は中3しかいないため、相原はいるわけがない。


あいつがいたら、ちょっとは気遣って休ませてくれるのかな…


今頃家で宿題でもしてんのかな…


あいつのことだから、合宿から帰ってきたら質問いいですか、とか言って来そうだな…


ついこの間、気持ちに向き合うと決心したにもかかわらず、そんなことを考えながら過ごした。


相原がいない寂しさを改めて実感しつつ、合宿の全日程を終えた。