「俺は、こうやって面倒見てくれる先生が厳しい人だった。でも、彼も恋愛に関しては理解があった。


『教師と生徒。確かに、世間では非難の目にさらされる関係。


それでも、関係がたまたまそうであっただけで、2人が納得してるならいい。


行きすぎた事だけはするな。デートも我慢すべき。この関係は絶対にバレてはいけないのだから。』


そう言われてきた。だから俺も、今でこそ幸せだが、在学中はしんどかった。


おすすめはしない。引けるなら今のうちに諦めろ。」


そう諭されて、何も言えなくなった。


頭では理解しているものの、やはり経験者が語ることは重みが全然違う。


今までは考えないようにしてきたが、向き合うなら今のタイミングだと思った。


「…旗本先生。ありがとうございます。もう一度、真剣に考えます。


俺って幸せ者ですね。こうして、話を聞いて、ちゃんと指導してくれる人がいるなんて。」


そう言った俺に、旗本先生は綺麗な笑顔で笑った。