薔薇姫〜1輪の薔薇〜

昔親友と呼べる女の子の友達がいた。
私は昔はちゃんと笑ったり、泣いたりする、普通の子だった。
頭は、良かったし、喧嘩はまあまあ強かったが、

そんな自分に自惚れて、女の子を連れて、夜の街へ、出かけたのだ。
あの時、あの子を連れていったのが、間違いだった。私は強い自分をあの子に見せたくて、連れて行ってしまったのだ。

私は今までとは違う、ものすごく強そうな匂いを嗅ぎつけたのだ。好奇心旺盛どったため、危ないとか何も考えずに、行ってしまった。

その男たちは、本当に強かった。
小さいながらも、私の腕前はものすごく良くて、今回も今までみたいに、すぐ倒せると思っていた。
でも、今までとは違った。
私は目の前に出された、金属バットを見て「殴られる」と、思った。

「動け、動け!」心の声とは、裏腹に体は思うように、動かなかった。
もう、私は諦めて、そっと目を閉じた。
あの子に感謝の気持ちを込めて。
何秒待っても、痛みは来なかった。
そっと目を開ける。
私の目の前には、血だらけで、倒れている友達の姿があったのだ。

私は何も出来ずに、ただただその場で泣いていた。いつの間にか真夜中になった。
その子は、冷たくなっていた。
死んでしまったのだ。私のせいだ。
私のせいで、その子は死んだ。

私はそれから、感情を表に出さなくなった。
そして、強くなるために、毎日、毎日夜の街に行った。そして、薔薇姫という世界1強い女になった。

でも、あの子は帰ってこない。私が強くなったって、あの子は帰ってこない。
でも、あの子のような子を増やさないために、私はまだ、街に通い続けている。