廻天の王女と太陽の騎士は穏やかに恋をする

会うのは土曜日に決まりました。
家の近くまで、小林さんが車で迎えに来てくれます。



体調の面では、特に心配はありません。
旅行でさえも行って良いと先生に言われているくらいですから。



不安なのは、小林さんと会ってからのことです。
それと、もうひとつ。
私はいまだ誰にも小林さんのことを話していないのです。
そのことが気にかかっていました。



「あ、あの…今度の土曜日、会社の友達に会って来ようと思います。」

「会社の友達と?
それは良いわね。」

「土曜日なら、私が車で送ってあげよう。」

「い、いえ、バスで行きますから大丈夫です。」

「本当に大丈夫なのかい?」

「はい。バスの乗り方はわかってますから。」

「……そうか。」

父も母も、会社の友達は女性と思い込んでいるようです。
そのことに気付きながら、私はあえて真実を話しませんでした。



「あ、あの…以前のシャキアはどんな髪型でしたか?
私が別人だなんて思われることはないとは思いますが、出来るだけ、以前のシャキアと同じようにして行きたいのです。」

「そうなの?
確かに紗季とは少し髪型が違うけど…
じゃあ、今日にでも早速美容院に行きましょう。」