ピーポーピーポー

「大丈夫ですか〜?」
「青木想楽さーん?」
「ヤバい、反応がないぞ」

「パチッ」
私は目を覚ました。

ズキッ

「いったぁ…」
まるで槍で頭を刺されたみたいな痛み。

そこで、お母さんと病院の医師が話しているのが聞こえた。

「そうなん…ですか…想楽は…。」
「ですが、回復の見込みはあります。」
「そう言えば、想楽の従兄弟も同じ病気で。伊藤ハル君が隣の病室にいるんですよね…?」
「はい。」


あ。
「私、病気なんだ。」

そこでようやく気がついた。

ガラガラガラッ

「お母さん…」
目が赤く腫れている母の姿があった。
相当泣いたのだろう。
「ごめんねっ…。気づいてあげられなくて…。ごめんっ…。」
鼻声で、お母さんはそう言った。

お母さんは何も悪くない。

私が元気なフリをしてたのが悪い。

お母さん泣かないで…。

「なんでっ…私が…。」

お母さんを泣かせてしまったこと、私がなぜ病気にならなければいけないのかという思いが込み上げてきて、私もお母さんと一緒にに泣いた。