ピピッ、ピピピッ、ピピピピピピ…
想楽(そら)の部屋では、ずっと目覚ましがなり続けている。
ガチャン!!!
「行ってきま〜す!」
「お母さん…もう仕事かぁ…。
もうちょっと寝よう……。」
ん!?お母さんが仕事に…?
「は!?嘘、もうこんな時間!?」
なんでー!!目覚ましちゃんとセットしたのに!!
「ヤバいヤバい!!」
牛乳をガブ飲みし、手際よく制服に着替え、家を飛び出す。
全速力で学校まで走り、ようやく学校に着いた。

キーンコーンカーンコーン

「うおおおおおおおっ!!!!!」
急いで教室まで走り、ギリギリ教室に着いたと思った。
「青木、遅刻。」
担任の森山先生は、いちいち何分何秒と時間気にする人だ。
「すみません!!」
そう言い、席に着こうとした。
「ううっ!!」
突然、今までにない痛みを感じた。
吐き気もする。

そこで、意識はプツリと切れた。

目覚めた時には保健室のベッド。

先生が言うには、いきなり倒れた為に保健室に運んだのだという。
その時は、いきなり寝起きで走ったから具合が悪くなったのだと思っていた。

でも、頭の痛みと吐き気は治らなかった。

だけど、みんなには心配かけたくなくて元気なフリをし続けた。

だけど、もう限界。

相談してみよう。いい加減、1ヶ月も痛みが続いていたらおかしいだろう。
そう思い、お母さんに相談する。
「お母さ〜ん」
「な〜に?」
いつもの優しい声が返ってきた。
「なんか、ずっと頭が痛いしらおまけに吐き気もするの。」
「ずっとってどれくらい?」
「大体1ヶ月くらい…」
「明日学校に行って様子を見ましょう。
確かに1ヶ月も頭が痛いのはおかしいわね…。」
そう言って、お母さんは家事に戻った。

次の日。

「んっ…」
また頭が痛い。
「どしたの?大丈夫ー?」
隣の席の真由が心配して声をかけてくれた。
「あぁ、うん。頭が痛いだけだか…」
ドサッ。
「そ、想楽!?」
「おい、どうした?」
「せ、先生!!想楽が!!」