緋奈saido

今日もいつものように図書委員の仕事をしていた。

ガラガラガラ

「黒崎君?!ほんとに来てくれたんだ!!」

「ごめん...」

「え?」

「新井から浅倉の家庭事情聞いた。昨日浅倉の家の事情知らずに家族のこととか話しちゃって、無神経だったよな..。」

「え?!あっ全然大丈夫だよ!私神経図太いから」

私は平気だという事を伝えるためににっこりと笑いかけた。
(余計な心配かけちゃったな)

「いいよ、無理して笑わなくて。辛い時は辛いって言えばいい。浅倉は一人じゃない。」

「....」

(どうして、そんな優しい言葉をかけてくれるの?)

気づいたら私の頬に涙が流れていた。

「浅倉..!」

(ほら、黒崎君が困っちゃうから、早く、泣き止まないと)

そう思うのに涙が止まらなかった。