心saido

緋奈..ほんとに大丈夫かな。
緋奈はいつも私に気を使って弱音ひとつはかない。...辛いはずなのに。

私じゃ頼りないのかな。
頼られてなくても出来る限りのことはしなきゃ!

黒崎..これから図書委員で緋奈といる時間が多くなるなら、緋奈の家庭事情話しといたほうがいいな。

「黒崎!ちょっと話あるんだけど」

黒崎は一瞬驚いた顔をしたがすぐいつもの涼しげな顔に戻り、私についてきた。

「緋奈に聞いたんだけどさ、これから委員会来るようにするんだって?」

「そうだけど?」

「だったらさ、緋奈に家族の話とかするの絶対やめてよ?」

「は?なんで?」

「....あの子お父さんとお母さん事故で亡くしてるの。今はアパートで弟君と二人暮らしでその生活費を稼ぐために毎日バイトしてるの。」

「......わかった。」

黒崎はそれだけ言うと思いつめるような顔をしながら教室へ戻っていった。