「見過ぎ」
そう言ったゆうくん?らしき人は目を逸らした。
ほんのり赤く染まる頬は照れたのか、夏の暑さのせいなのか、私にはどっちかわからなかった。
「あ、えっと…人違いだったらどうしようかと…。ゆう…すけ、くんですか?」
驚いたのか、一瞬目をまん丸にした彼はニッコリ微笑んだ。
「そうだよ。久しぶり陽葵」
はわわわっ…!
この笑顔、昔よく見た。
紛れもなくゆうくんだっ!!
「綺麗になったね」
「ゆうっ……すけ、くんこそ…」
昔みたいに“ゆうくん”って呼んでいいのかわからないから、語尾が小声になる。
「もう昔みたいに呼んでくれないの?」
「え…?」
「まぁ陽葵も大きくなったから呼びずらいか」
苦笑いをするゆうくんは、少し寂しそうな表情をしてて…。
「そんなこと無いっ!」
私は、ゆうくんの白い服を掴んだ。
「2年ぶりに見るゆうくん、かっこよくなりすぎてるから“ゆうくん”って呼ぶの戸惑っちゃって…。呼んでも良いの?」
ハハッて軽く笑った後、ゆうくんは柔らかく微笑んだ。
「うん。呼んで」
「やったぁ♪」

