ひっくり返せばジューッと音を立てて、美味しそうに焼けるお肉にお腹が空いてくる。
「美味しそうな匂いがするね」
焼けてそうなお肉をお皿に取り、タレをつけたゆうくん。
あ、摘み食いだ。なんて思ってたら…
「ほら、あーん」
そのお肉を私のもとへ持ってきた。
「へ…!?」
驚いてゆうくんを見ると、人差し指を口元に当て“秘密”のサイン。
ドキッ
ズルい。そんな…私だけ、みたいな…。
ゆっくりそのお肉を口に入れた。
「さっき俺も一口食べたんだ。美味いだろ?」
クシャッと笑う顔にドキドキしてしまって、私は無言で頷いた。
食べさせてもらうなんて初めてで、恥ずかしくてドキドキして、本当は味なんて全然わかんなかった。
ゆうくん…間接キスって気付いてるのかな……?
それとも気にしないタイプ…?
「祐介〜焼けた?」
蓮くんの声にビックリして身体が飛び上がった。
「あ、陽葵ちゃんだ。こんな所にいたんだ?」
「俺が1人だから一緒にいてくれたんだよな?」
なんて言って、蓮くんにバレないようにイタズラっぽく舌を出したゆうくん。
ドキッ
ズルい。ズルい。
今日のゆうくん…なんかズルい…。
知らないゆうくんを見て、ドキドキする私がいる…。

