「怖がらすな。ほら行くぞ」

そう言ったゆうくんは、彼の腕を掴んで無理矢理みんなの所に連れて行く。


「陽葵、気をつけて行ってこいよ」

「はーい」

ニッコリ笑ってゆうくんに手を振り、あっちゃんのもとへ向かった。


「可愛いがすぎる。天使か」

「うるさい。手、出すなよ?」




***

シンプルなTシャツとストライプ柄のガウチョパンツ。
鎖骨くらいある髪の毛にストローハットを被ってるオシャレな女の子。

暗めの茶髪でボーダーTシャツにスキニーの超シンプルスタイルの男の子。


2人をみんなの前に連れて行った。

「えっと…同じクラスのあっちゃんと光くんです…」

ペコリと頭を下げた2人に続き、ゆうくんのお友達も自己紹介をした。

へぇ…私に声をかけたあの人、(れん)くんって言うんだ。



「そろそろ焼きましょ」

ロングの美人さんの一声に、ゆうくんのお友達は各々動き出した。

「光くーん、こっちで焼くの手伝って」

「はいっ!」


私とあっちゃんが2人っきりになった時、あっちゃんはコソッと私に耳打ちをする。

「ねぇひま、幼なじみってどの人?」

「あ…あの人」

光くん達と一緒になってお肉を焼いている人を指した。