「和哉くん!持ってきたよ!」 振り返れば、ちりとりを片手に持った君が立っていた。 君の声すら愛おしいなんて、ビョーキかな。 うん、きっとそういうビョーキなんだよ。 いっそのこと、嫌いになってしまいたいと思うほどに。 「おう、さんきゅ」 課題を忘れてきた俺たちは、明日授業で使うらしい空き教室のそうじを担任に任された。 俺は、理由が理由なのだけれど、説明するのも認めているみたいで、なんとなく嫌だったので、掃除することになったら、なんと君と2人きりだった。