ネクタイに恋心



『なあっ!!何で泣いてんの!?』

彼女は立ち止まり、振り返った。

「だって、あなたがネクタイはめてこないから…」


『泣くぐらい必要なのかよ?なあ、お前は俺が好きなのか?ネクタイが好きなだけ?』


「………ネクタイ。。」

なんでだよ!!

そこは普通俺って言うだろ!



『そっか…ならしょうがねーな。別れるしか…。』


ぎゅっ。。。

彼女が俺に抱きついてきた。

「別れる…別れる別れる~!!」

『お前、言ってることとやってることめちゃくちゃ。』


わぁわぁ泣き出して、通行人が若干振り返る。

「ぅぅ…。」

『何でそんなに必要なのか言えよ。何かあるんだろ?』