ぐるりと視界が回って、気づいた時には私は天井を向いて仰向けになっていた。
私の上には、誠也が覆いかぶさっている。
「こんな、可愛い格好しちゃって......。必死に我慢していた俺の身にもなってみろよ。自分から飛び込んでくるなんて、杏は俺に襲われたいわけ?」
片手は私の腕を抑えて逃さないようにし、もう片方の手はなぜか、私の頭を撫でている。
その優しい手は、私が喋るのを許してはくれない。
「っ......」
襲われるなんて、心の準備が出来ていない。
だけど、可愛いと言って貰えて、すごく嬉しい。
「そんな可愛い顔までしちゃってーー。どこまで俺を振り回せば気が済む訳?」
至近距離から誠也に見つめられて、背中がゾクゾクする。
真っ赤に染まった私の顔を隠したいけれど、腕を抑えられているため、私には、隠す方法が無かった。
「はぁ......可愛すぎんだろーーこれは反則」
「......んっ」
一瞬で、唇を奪われた。



