友達なんて、いらないから…。 そんな俺の心の内なんて知りもしない母は、「あっ、これねー」と言ってそのロボットを取り出した。 それがボロットだった。 俺は本物の人工知能なんてついていてほしくないから、ボロくあってほしくて、絶対に俺に反抗しない、そんなロボットになってほしくて名前を——。 「ボロロボットのボロット…それでいいよ」 「えっ…なんで…」 「いいから、それで設定して」 「…」 母はまた悲しそうに眉を潜めて、それから「わかった。絶対後悔しないのね?」と訊いた。