私は、今夜道を1人で歩いている

風が私の頬を揺らす

「こんなにもゆっくりとした時間はいつぶりだろう… 」

風が気持ちいい


そう歩いていると

「ねぇお姉さん、今からホテルどう?」


あー。現実逃避が終わった

「いくら?」

「生で3万ってどう?」

やっす。でもまぁ、いいか。

早く終わらせたい

「いいよ」

最初は怖くないって自分を言い聞かせて

いたのに、今は何も感じない。

「どうして着いてきてくれたの?」

「あなたに答える必要はないと思います」

このスーツを来た男性は困った顔をした

あぁ。早く終われ。早く帰りたい。

ホテルに着いてから、2人でお風呂に

入って、されるがままだった。

行為が終わって……

「はい、3万円」

「ありがとうございます」

「またよろしく頼むよ」

「わかりました」

私は誰とでもから寝るヤツだから、

いつもこう返事を返す

男性と別れたあと、昔の事を思い出していた







私が高1の夏、母が家に帰って来なくなった

私的にはとても楽だったんだけど

他の子の家族と私の家族はどこか違う…

お母さんはお父さんがいるのにも関わらず

不倫してたんだから

いや、不倫はもっと前からしていた。

私が小学生の頃にはもうしていて

私に

「この指輪、彼氏から貰ったの♡」

と自慢していたぐらいだから

「あぁ。そうなんだ。良かったね」

としか言えなかった。

お父さんはお母さんが不倫している事に

気が付いている。

でも見て見ぬふりだ。

もう諦めているんだろう。

おっと、昔の事を思い出していたら、

もう家に着いた。

「結愛、おかえり」

「ただいま、お父さん」

「今日お母さんが来てたよ」

「お金のことでしょ?」

「うん。明日取りに来るから、渡せって」

「わかった 」

「お母さんにお金渡さなくてもいいんだよ」

「渡さないと毎日来ることになるよ

何回も顔みたくないから」

「そうか」

私は2階に上がって、部屋に閉じこもった

あぁ、顔みたくないな

お母さんは自分のお金が無くなりそうな時

いつも私やお兄ちゃんにお金をせびってくる

私もたまに考える。どうして、お金を渡して

しまうんだろう?って

それは多分小さい頃から恐怖を味わっている

からだろう。

お母さんは昔から私たちに手を上げ、言葉の

言葉の暴力を浴びせていた。

私が何回泣いても、お兄ちゃんが謝っても…

それでこういうんだ。

「子どもは親を選んで生まれてきたんだよ」

って。私はそう言われる度に考えていた。

お母さんの言っている事が本当なら

いつか

"この家に生まれてきて良かった"

って思えるのかな?って。

でも、高3になった今でも思えていない

深く考えても答えは出てこないから

早く寝よう。


ピピピピピ

アラームの音で目が覚める。

朝か… 眠たい

学校に行かないと