智也は、俺より頭もよく飲み込みも早い出来のいい弟だ。 組員にも、『智也ぼっちゃまが長男だったらな〜』と言われるほど優秀だった。 俺はそれを聞いた時、すごくショックだった。 でも、俺の弟は組を継ぐ気もなく、俺を支えるとまで言ってくれる、大好きな弟だった。 だからショックでも、これから頑張ってみんなから認められる組長になろう、そう決心していた。