「潤は結婚とか考えてんのかい?」

「俺はまだだよ~。今彼女のいないしさ~、つーか最近好きになった女の子に振られちゃったし」

「お前は駄目だなー!かーちゃんの息子ならもっとモテねぇとな?自分の子供ながら潤も結構かっこいいとは思うんだけどなー」

「だってその子彼氏いたんだよー!しかもねその彼氏が西城グループの社長令息!」

「おお世界の西城のかッ!けどうちだってS.A.Kの跡取りではないけど息子だし、なんつってもFUMIE SAKUMAの孫だからな、あんたは
西城グループにも負けちゃいねぇよ!あっはっは!」

親子だというのに、昔からあけすけな会話をする。

この母が過去にふたつだけ女性と付き合うのに条件を出した。

ひとつは’面倒見れないうちは子供は作らない事’ そしてもうひとつは’好きになった女は命がけで守る事’だ。

母親の癖に、父親より父親らしい人でもある。

そんな母がふーっとため息を吐いて、じとりと俺の顔を見る。

「あたしと鈴ちゃんは昔から菫と潤が結婚すればいいって言ってたんだけどね」

「何それ!」

ニタアと満面の笑みを浮かべる。

「だってお前たち、小さい頃はよくお互いに結婚しようね!って約束してたんじゃないか。
それにふたりが結婚すれば私達本当の親戚同士になれるわねーって鈴ちゃんと昔はよく話したもんさ」