「菫ちゃん大きくなったら僕と結婚してね」

「うん。菫絶対に潤と結婚する」

あの日おばちゃんのフルートの下でした小さな頃の約束。

その約束に続きがあるのをすっかりと忘れていた間抜けな俺だ。


「大きくなったら菫ちゃんの為にウェディングドレスを作るんだ。世界にひとつしかない」

「本当に?潤がドレスなんて作れるの?」

「大人になったらきっと作れるよ。それに僕んちは洋服屋さんだから作れない服はないんだよ!」

「うれしい!楽しみにしてる!」

けれど俺は永遠に君を大切にして、愛し続ける事をまた約束する。

小さい頃にした約束の有効期限はいつまでも消えることなく

ふたりで遊んだ桜の木の下。どれだけ時を超えても変わらずに、ふたりの心の中にある。