「俺は魔法使いだよ?菫の夢も全部叶えてきただろう?だから、だからさ…
俺を信じて……」

本当はもう自分が魔法使いではないという事を、菫は知っているだろう。

俺は魔法の絨毯も持っていないし、魔法のランプにもなれないただの人間だ。

それでもきっと菫は知っている。夢は誰かに叶えて貰う物ではなく、自分の力で努力して叶えていくものだって。

本当に叶えたい夢は、努力の先にしか生まれないという事も。


そう、あのアニメでも少年は気づくのだ。だから3つ目の願いは自分の夢の為ではなく、友の夢の為に使った。

自分の夢は自分の力で叶えなければ意味を待たない事に気づいたから。

だから菫、菫の夢は菫が叶えろ。そして俺の夢も俺の力で叶えていく。

「ねぇ 帰ってきたらまた一緒にホールニューワールド弾いてくれる?」

「お安い御用さ。一晩中でも弾こう。菫の好きな曲何曲でも。だってここは防音マンションだ」

「またメイクをして可愛い洋服を着て一緒にクレープ食べてくれる?」