「菫と一緒に眠れるのは嬉しいよ。男としてはちょっと辛い部分もあるけれど…」

その言葉に眉をぴくりと動かし、ハッとした顔をする。

そして真っ青になったかと思えば真っ赤になって頬を押さえた。

「そ、そうよねッ。私は無神経だったわ…。
大地にも言われたの…。潤が可哀想だって…」

「は………?」

「普通の年頃の男女が一緒に暮らしていればする事はひとつだと……
確かに私はそういう経験がないから鈍感だと思うの。けれど潤に我慢をさせていたなんて……」

何やら真剣に話しているが、菫が暴走しているには違いない。…クソ真面目というか天然と言うか…。どーしてこういう所をもっと人に見せないんだろう。

完璧すぎて昔から人から近寄りがたいと言われているが、こんなにも間抜けで面白い女であるというのに…。

大きな目を潤ませながらこちらを見つめる。

「ごめんね潤…。そりゃー潤だって男だもの。私だってキスをしたくらいでドキドキして倒れそうになったの。それはきっと潤がとても好きだという事なのね。
だからこそそれ以上の事にも勿論興味はあるわ…。少し怖いし恥ずかしいけど…。潤とならば構わないわ。」

大真面目な顔をして何を言ってんだか。思わず笑いがこみ上げてきた。

そんな俺に菫は顔を真っ赤にして怒りだした。