「良かったなぁ!!まぁそれはそうだろ。俺は小学校の頃から潤と菫を見てきたんだ。
お前たちがお互いを好き合ってるのになんてとっくに気づいていたよッ。お前らはなるべくしてそうなったんだってば
良かったなぁ。本当に本当に良かった。友人として菫は良い奴だってお墨付きだ」

何を俺の事を自分の事のように喜ぶ。しかしにやけた俊哉の顔を見ると、何故かこちらまで嬉しくなってくる。

「つっても付き合うって言ってもこれから知って行く事なんて少ないと思うんだよなぁー
25年前から幼馴染な訳だし、改めて付き合うってなると照れくさいよ」

「潤、ずっと一緒に居たって知らない事も沢山あるもんだぞ。俺も奥さんと高校時代の付き合いだったが、結婚してから知る一面だって沢山あったわけだし。
いやーしかしおめでたい。結婚式では友人代表をやらせてくれよ」

「気が早いなぁー……」

嬉しそうに’結婚は良いものだ’と意気揚々と語る俊哉を尻目に
将来の事ばかり考えていた。

菫がいつか結婚すると決めた時、ウェディングドレスは必ず俺が作ろうと決めていた。

世界でたったひとつの、君だけのウェディングドレス。長身でスタイルの良い君にはマーメイドタイプがよく似合うと思う。

首元にレースをつけた白いウェディングドレス。菫の事ならば1番俺が分かっている。だから俺が1番君に似合うドレスを造れるだろう。


かーちゃんとおじちゃんが親戚同士になるのはいまいち想像が出来ないが、そんな未来に想いを馳せていた。

少しだけ気が早いか?仕事をしながらも、頭の中はドレスの事でいっぱいだった。

いや早くなんてない。25年間も一緒に居たんだ。

おじちゃんがもしも何かを言ってきたとしても、そこはいつか分かってくれる筈。そんな甘い事ばかり考えていた。あの人の頑固さをまだ理解しきれていなかったか…。