服装は奇抜で派手な奴だと思っていたけれど、サラサラの茶色の髪も、整えられた眉毛も大きな瞳も…笑った時に出来る笑窪も可愛くて、笑顔がとても良いのよ。

身長はすごく高い訳ではないけれど、どこか目を惹く容姿をしている。

私とは正反対で親しみやすいから、昔から良くモテた。小学校が一緒だった頃は女子同士で潤の取り合いが始まっていたし、中学から分かれてしまっても、家にはよく可愛らしい彼女を連れ込んでいた。

それを見て…あの頃少しだけ寂しく感じたのを覚えている。どこか遠くへ行ってしまったって。


ティーシャツの襟を掴むと、くるりとこちらを振り返る。

私の好きな事に付き合ってもらってるだけど、嫌な顔ひとつせずに楽しそうにしてくれる。

それは私が特別って訳ではない。潤は誰にでも優しいのだ。だから女の子がすぐに勘違いをして、潤に全く身に覚えのない所で争いが始まってしまうのだ。

「さっきから噂されてるわよ。’かっこいい’ですって
’モデルさんかなー?’だってよ。
確かにあんた自社でモデルやってるもんね」

その言葉に目をぱちくりさせたかと思えば、大きく笑った。

元々デカい声の癖に大声で笑うもんだから、目立つ事この上ない。

「いや、違うでしょう。あの子たちさっきから俺じゃなくって菫を見ているよ?」

「え?私?!」

ふと彼女たちへ視線を送ると、少しだけ気まずそうに顔をひそめた。

そんな彼女たちのひそひそ声が聴こえる。