胡桃side
「……あらら、連行されちゃった」
遠くなっていく妃奈を見送りながら私は考える。
皇……中々聞かない苗字ね……
まさか妃奈はあの家系……?
「よっ、有栖川」
いきなり肩を叩かれ振り向けば学園のオウジサマの1人、久遠 雷火 (クオン ライカ)。
金髪の髪がサラサラと揺れている。
「……雷火」
「この様子だと、“あのこと”言ってねーな?」
「言えるわけない……私が“吸血鬼”だなんて」
「でもアイツ、吸血鬼のことあんまり怖がってねーよ多分。 アイツなら大丈夫そうだし」
「でもさっき人間って言っちゃったし……あまりバレたくない」
もう二度と、あの時みたいに言われたくない。
____× × × ×
「……別にいいでしょ! 私はそう決めたんだから……それより、妃奈、紅に会ったことあるの?」
「首見たら分かるだろ、印がある」
「しかもあの印……普通じゃない、蘇生の契約でしょ?」
妃奈はさっき、吸血鬼に助けられたのとか言ってたけどそーゆことか
謎が深いな……
「あ、そろそろ俺も生徒会室いかなきゃ また伝えるわ、じゃーな」
そう言って手を振りながら後を追う雷火を私も手を振り返した。
