そう言うとなんだか考えた表情になった胡桃。
どうしたんだろう……?

その時


「見て、紅様よ!」

「きゃぁぁぁ♡ 今日も美しい……」

「紫夕様に、雨衣様、雷火様まで!」

黄色い悲鳴が校庭から聞こえてくる。

「どーゆこと……?」

「この学園にはね“王子様”がいるの」

「王子様……?」

「よくある話よね、学園の王子に狙われて女子からのいじめ、逆ハー、あるあるだわ()」


それ言っちゃダメだよ胡桃((((

「あ、あ〜そうなんだ」

チラりと見ると王子様達は女子達に囲まれている。


そのうちの1人、茶髪の人と目が合った。


この人……どこかで見たような……?
その人は何故かこちらへ歩いてくる。

「妃奈……ちゃんだよね?」

「え」

何故かその人は私の名前を呼んだ。
え、なんで名前知ってるの?

「え、妃奈フラグ回収早いね」

だからそれ言っちゃダメだよ((((

「えと、ごめんなさい……誰ですか?」

「月城 紅 (ツキシロ コウ)って言うんだ、よろしく」

手を差し伸べられて私は慌てて握手する。

「俺と君は、随分前に知り合ってるはずなんだけどね」

「…………?」

言ってる意味が分からないや……だってこんなに綺麗な人なら普通覚えてるはずだし

「とりあえず生徒会室へ行こう、そこでお話ししようか」

そう言って私の手を引いて歩き出す。
ちょっと待って、このまま連行されるの?!

「く、胡桃!!」

「いってら〜」

胡桃は何故かニコニコと笑ってる。
助けてよ〜(泣)

言われるがままに私は生徒会室へ連行されていったのだった。