「そーいえば妃奈はあのこと知ってる?」
「あのこと……??」
「あーこの反応だと知らないかぁ」
え、なになに! なんかあるのかな?
「この学園にはね…………
吸血鬼がいるの」
「きゅー、けつき?」
え、あの血を吸う?
「そそ、吸血鬼と人間が通っている学園なの」
吸血鬼と人間が通う学園だんて……不思議。
「ちなみに、けっこういるのよ。あ、ちなみに私は“人間”だよ!」
そう言ってニコッと笑う。
「へぇ〜吸血鬼もいるんだ……吸われてみたいな……」
「は」
突然胡桃が間の抜けた声を出す。
「あ、いやなんかね。 私、“あの日”から吸血鬼のことが気になって仕方ないの」
「あの日……??」
「死ぬはずだったあの日……吸血鬼っぽい人が私を助けてくれたの」
「不思議だね……」
「ね、それからずっと気になってて。もう1回吸われてみたいなぁなんて(笑)」
