妃奈side
「あの、どこに行くの!」
またまた人気のないところに連れていかれる。
「いやまあ……それより膝大丈夫か」
「あ、うん。 別に軽い怪我だし」
「……妃奈、あまり転ばないようにしろよ」
「なんで?」
「いや……危ないし何より妃奈の血は」
そう言って首をなぞられる。
「他の人より……“少し特別なんだ”」
「特別……??」
特別……私の血が?
「そんなに? 別に普通だと思うけど……」
「妃奈の苗字、皇だよな?」
「うん、皇 妃奈だよ」
「皇……どっかで聞いたことあるんだよな」
「気のせいじゃない? 皇ってそんなにいないし、別に特別な家系じゃないよ」
「ふーん……まあいい。 それより怪我治すから足出して」
「あ、治してくれるの? ……じゃあ、お願いします……」
おずおずと足を差し出すと紅が顔を膝に近づける。
待ってこれ、かなり恥ずかしい体制では()
急に恥ずかしくなってそっぽを向く。
紅の舌が私の傷を舐める。
地味に痛い……でもなんかくすぐったい。
「……っ、よしこれでいいかな」
「さすが吸血鬼、怪我もう治っちゃった」
舐められた所は何も無かったように傷がない。
