胡桃side
「ああ3人からは無理だって……俺でも無理だよ」
しょぼんと座っているのは紫夕。
3発当てられて落ち込んでいる。
「まあしゃーねーだろ、俺らの勝ち」
まあ3人からはあれだったかな……まあ紫夕1人しかいなかったし←
その時
「……何この匂い、甘い……」
雨衣がクンクンと当たりを嗅ぐ。
ほんとだ……何この匂い……甘い匂いですぐにでも吸いたくなるような……
「……まさかっ」
私は慌ててその匂いの方に行く。
「おい、胡桃?!」
雷火の声が聞こえるけど気にせずに走る。
そこは校庭で皆が集まっている。
「ああもう見えないっ!」
なんとか真ん中を見てみると紅と妃奈がいた。
妃奈がハンカチで膝を抑えている。
まさか血が出た……?
他の吸血鬼は飢えたような目で妃奈を見ている。
これヤバいんじゃ……!
冷や汗かいていると紅が胡桃を連れ出してどっかに逃げていく。
まあ……大丈夫かな……
「外部の子から甘い匂いしたわ何かしら……」
「あの子の血1回吸ってみたいなぁ」
吸血鬼が口々に妃奈のことを言う。
「あのねぇ!!」
私は大きい声でみんなに言う。
「妃奈の血は絶対に絶対に吸わせてやらないんだから!」
「は、なんだよ有栖川……」
「有栖川さん契約してるの?」
「してないわよ……でも絶対にダメだから」
みんなに釘を刺すと変なのって顔をされる。
何となく確信した。
きっと妃奈は___
