もっと早く動かなきゃ……!
紅に向かって一目散に駆け出す。


「あ、れ」

まさかの小石につまづき派手に転んでしまった。

「…………」

待って気まづ(((((
大勢の前で転んだんだけど!!

「いったった……うう痛い」

半泣きで起き上がると紅が焦ったような顔をした。

「おま、血が……!」

見てみると膝から血が出ていた。
後で消毒しなきゃな……

「ここでやられちゃ困るぞこれ……おい妃奈こっち来い!」

「は、なに?!」

「早く来い、逃げるぞ」

「なんでよ?! サバイバルゲームだよ今!」

「周りをよく見てみろ!」

恐る恐る周りを見てみると皆が私に釘付けになっていた。

「何だこの匂い……甘い匂い……」

「あの子から出てるの……?」

「へっ……ちょっと皆……?!」

飢えた獣のように私を見つめている。
え、なにこれやばいやつ?!

「妃奈ハンカチで抑えろ!」

「う、うん」

言われた通りにハンカチで止血する。

「ほら行くぞ!」

何故か手を引かれ校庭から逃げ出した。